昨年1月に愛知県豊田市で三つ子の次男を虐待死させてしまった母親の裁判で、3年6カ月の実刑判決が下された。今この判決を巡ってさまざまな声が上がっている。

 私は双子の母親で双子の子育ての過酷さを体験した。この事件は三つ子だ。3人の授乳は1日最低でも24回だったという。それに3人のおむつ替えや沐浴をしたり、泣く子をあやしたりするだけでもどれだけ大変だったか! 自分の睡眠時間はほとんどなかったはずだ。また、この母親は健診時に「子どもの口を押えてしまった」と話したにもかかわらず、支援の手が差し伸べられることはなかった。母親は極度の鬱(うつ)になりながらも懸命に子育てをしていたという。もちろん子どもの命を奪ってしまったことは決して許されることではないが、この母親に適切な支援がなされていれば救えた命だったと思うと、本当にいたたまれない気持ちになる。

 私たちは行政、医療、福祉などと多胎児育児経験者が連携し多胎支援をする「さが多胎ネット」を5月25日(ふたごの日)に発足する。また6月30日の午前10時~12時半、佐賀市メートプラザで、日本多胎支援協会の「全国フォーラム」が開催され、その協力団体として準備を進めているところだ。このフォーラムでは、今回のような多胎児虐待事件から多胎家庭の現状を知り、どのような支援が必要かを考えていく。佐賀県でこのような事件が起きないように!(中村由美子・佐賀女子短大非常勤講師)

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