美術館の館長の金子正彦さん(左)と宮地恭佳さん

 住宅街(佐賀市嘉瀬町)の中に、とがった屋根が目立つ2階建ての30坪ばかりの宮地亨画伯(1909―97年)の個人美術館がある。旧制三養基中学を経て、現東京芸術大学を卒業し、東京で戦災に遭い帰佐した。高校や短大で美術を教え、退職後も亡くなるまで絵を描き続けた。

 美術館の館長を務め、絵画の保存などに尽くす金子正彦さん(71)は、高校時代の美術の恩師・宮地氏と再会。知遇を得るようになり、今でも絵筆を握る。

 金子さんは画伯が亡くなる2年前に美術館を建て、帝展入選作、日展特選作、フランス国際展ル・サロンで金賞を射止めた「神苑閑日」など、30点の絵画が飾られるときも手伝った。

 絵に興味を持ってもらいたいと嘉瀬小学校の児童を美術館に案内し、説明もしている金子さん。画伯の息子・宮地恭佳やすよしさん(70)は「父は『芸術は、無限と孤独、生涯無名』が口癖で、好きな絵を自由に描き、ほとんど保管しています」と話している。

 金子さんは「構図の取り方や宮地カラーなどの出し方などを尋ねても『まだ教えない』と、おちゃめな回答をされる先生でした。無駄のない吸い込まれそうな空間や油彩の研ぎ澄まされたハーモニーを、美術館に足を運んで味わって下さい」と、本物を見ることを進める。連絡先は金子さん090(3077)3290。

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