メロディーに合わせて体を揺らしながら、アレンジした曲を披露する平山彩羅さん=佐賀市の県立盲学校

 ジャズ風にアレンジされた童謡「赤とんぼ」の落ち着いた音色が音楽室いっぱいに響く。県立盲学校高等部3年の平山彩羅さん(17)=武雄市出身=は、さが総文の特別支援学校部門のステージ発表で、ピアノの独奏や合奏を披露する。

 平山さんは同校音楽部で部長を務める。元気にあいさつし、号令を掛け、周囲はいつも明るい雰囲気に包まれる。ただ、普段穏やかなその表情はピアノを前にするとがらりと変わる。メロディーに合わせて体を揺らしながら鍵盤をたたく。一音一音に思いを込め、演奏に集中しているのがよく分かる。

 昨年の県高校音楽コンクールで金賞を受賞し、視覚に障害がある全国の児童から学生までが競う「ヘレン・ケラー記念音楽コンクール」では奨励賞を獲得した。「ダブル受賞できてうれしかった」と笑顔を見せる。

 弱視の平山さんは幼稚部から盲学校に通う。キーボードに触れるなど当時から音楽への興味を示し、小学部1年のころからピアノを始めた。練習は授業と音楽部の活動で週4回。ピアノ教室にも通って腕を磨いている。

 演奏を耳で聞いてメロディーを覚えているという平山さん。同校音楽部顧問の江浦悦子教諭は「彩羅さんには絶対音感がある」と話す。以前、楽器の演奏が収録されたCDを聞いてもらった時、ピアノ伴奏を突然始めたこともあったという。高等部1年生の時、授業で初めて編曲に挑戦。さらなる音楽の才能を開花させた。

 昨年7月のプレ大会後は「彩羅さんの演奏やアレンジに感動した」と観客に声を掛けられたという。授業の一環で訪れた佐賀市の病院では、アレンジした「赤とんぼ」や「アメイジンググレイス」などを披露し、喜ばれた。

 音楽を愛し、楽しみたいという気持ちは人一倍だ。心を込めて奏でるピアノ音色が人々の心に響き渡る。

 

 メモ 特別支援学校部門の発表は7月27~29日、佐賀市のアバンセである。県内の特別支援学校9校が参加し、交流の場とする。

 ステージで楽器演奏を披露するほか、生徒たちが制作した立体・平面作品を展示する。ベッドメイキング、喫茶サービスなどのワークショップや製品販売もある。

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