文集を作製した編集会のメンバー=唐津市相知町の佐里地区公民館(提供写真)

3年かけて作成された文集「佐里の想い出」

 唐津市相知町佐里地区の歴史や伝統を後世に残そうと、地元住民らがこのほど、文集「佐里の想い出~今、残しておきたいこと~」を作製した。60、70代を中心とした住民や出身者から原稿を集め、約3年かけて142ページにまとめた。地域から失われた風景が文集づくりへと駆り立てた。

 文集は7章構成で、執筆者が子どものころなどをつづっている「昔の想い出編」や地区内の遺跡や伝統を紹介する「歴史編」などさまざまな角度から佐里地区を紹介している。評判も上々で、中でも「あけせき(開け閉め)」「ぞうぐる(ふざける)」など、地区に伝わる方言を50音順にまとめたページは人気が高いという。

 文集のきっかけは佐賀平野に広がる麦畑。2016年2月、地区の住民数人で佐賀市を訪れ、「佐里にも昔はこんな光景が広がっていた。そのことを若い人たちに伝えたい」。同年7月に文集編集会を発足させた。

 「せっかくだから、いいものにしよう」と、唐津市の交付金も活用。編集会も少しずつ大きくなり、当初5、6人だったメンバーが最終的には12人になった。

 最初の半年はなかなか原稿が集まらず、苦労も多かった。それでも約20人から80もの原稿が集まり、何度も何度も確認作業をし、今年2月に完成した。同会の事務局長の田口直司さん(68)は「原稿募集と資料整理に苦労したけど、楽しい3年間だった」と振り返る。

 文集は300部作製。地区住民に配ったほか、市役所や図書館、相知町内の小中学校に配布している。同会の古賀才治会長(71)は「会員や住民の皆さんのおかげで作成できた。この文集がふるさとの再発見になれば」と話す。

  

このエントリーをはてなブックマークに追加