文芸誌「ふたり」

 唐津市の文芸作家・白石すみほさん=全作家協会=が編集する文芸同人誌「ふたり」第21号が発行された。白石さんの小説を中心に、元文芸編集者藤田愛子さんの連載、白石さんの夫の元秀さんのエッセーなど、軽やかに文学を紡ぎ出す。

 白石さんの短編小説「詐(いつわ)り」は、老いらくの恋を描く。三角関係の匂いを漂わせながら、読者の意表を突く展開で読後感はさわやか。元秀さんの連載エッセーは、小城高時代の「28水害」の思い出。水害後、唐津線が限定運転する中、バックで走る蒸気機関車と競争する自転車の少年がほほえましい。

 藤田さんの連載は、芥川賞作家笙野頼子の「未闘病記」を取り上げる。独特の文体で膠原(こうげん)病(混合性結合組織病)の体験を記す本書から引用しながら、不屈の純文学作家の一面を紹介する。「文学とは何だろう。それは全身の病である。混合性の症状である」という笙野の文学観を照らす。

 ゲストが寄稿する「招待席」は、全作家協会常務理事の平井文子さんを迎える。

 ▶A5判77ページ、200円。唐津市の愛文堂書店で販売。問い合わせは白石さん、電話0955(73)7957。

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