明治時代の相知くんちでは、高さ10メートル超の巨大山笠が大きな存在感を放っていた(明治35年撮影)

2018年10月の相知くんちの山笠行列=唐津市相知町

 佐賀県唐津市相知町の熊野神社の秋季例大祭「相知くんち」で、高さ10メートルの巨大山笠が復活する。戦後に電線の普及で規模縮小を余儀なくされていたが、市が一部の電柱をかさ上げすることで実現する。今年10月の本番には工事を間に合わせる予定で、祭りの関係者はこれを機に地域活性化を目指す。

 相知市民センターや関係者によると、明治から昭和初期には10メートルを超す山笠が練り歩いていた。しかし少なくとも戦後には巡行路の電線が影響して縮小。現在は約6・7メートルの2台が走る。

 工事は、現状12・5メートルの電柱を継ぎ足し、建て替えたりして約2メートル高くする。巡行路約1・6キロのうち、区間は熊野神社から相知市民センターまでの約200メートルで、新設1本を含む8本の工事になる。巨大山笠を含めた3台でこの区間を走り、残りは2台で進む。電柱は九州電力やNTTが所有しているため、市が2社に工事を依頼する。事業費は1816万円。

 巡行路以外では国道203号の開通を祝い、1985年に記念巡行したことがある。2014年からは展示用として10メートル山笠を製作している。地域住民が電柱かさ上げの要望書を05年の市町村合併以降、市に3回提出するなどしてきた経緯がある。

 「寝言でも言い続けた念願がやっとかなう」と目を細めるのは相知郷土芸能保存会の小野史朗会長(71)。祭りの取り仕切り役で「整えてもらった環境に恥ずかしくない祭りをしないといけない。これを機に相知町相知の祭りから町全体の祭りにしていきたい」と意気込む。

 相知くんちは、唐津藩の大名行列を模した羽熊はぐま行列が山笠を先導することでも知られる。

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