佐賀新聞社が発行した新元号の号外に殺到する人たち=午後0時26分、JR佐賀駅前

新元号「令和」の発表を報じるテレビに見入る来店客ら=1日午前11時42分、佐賀市のイオンモール佐賀大和

 「平和を引き継いで」「安心できる共生社会に」ー。新元号が「令和」に決まった1日、佐賀県内でも歓迎の声が上がった。この漢字2文字には、悠久の歴史や美しい自然などを次世代につなぐ願いが込められている。県内の関係者それぞれが新しい時代へ希望や思いを重ね合わせた。

 明治時代から皇室の食器を手掛け、今年も納入を予定する深川製磁(西松浦郡有田町)。深川一太社長(70)は「『和をもって貴しとなす』の意味をかみしめるためにも良かった」とし、「文化は平和な時に育つ。おろそかになりつつあった食が見直されれば、器も違う時代を迎えるのでは」と期待を込めた。

 唐津くんち(唐津市)の唐津曳山(ひきやま)取締会は、改元に合わせて5月5日に市中心部を巡行する「奉曳(ほうびき)」を行う。大塚康泰総取締(74)は「災害のない時代になってほしい。秋季例大祭では収穫など祝って喜々として曳山(やま)を曳(ひ)くが、今回は粛々と曳く」とした。

 1月1日の佐賀新聞新年号の企画で新元号を予想した佐賀市の公務員内田勝也さん(29)。「安生」と予想していて「令和は意外性があった」と驚く。体に障害があり、市民団体で障害の理解促進に取り組んでいる。「誰もが安心して生活できる共生社会になってほしい」と述べた。同じ紙面で「慶新」と答えた佐賀西高3年の杉原翔太さん(17)は「日本らしさが伝わり、『れいわ』の響きも良くて高貴な感じ」と好感を示した。

 新元号の出典は万葉集の梅の花にちなむ歌。小城市の梅産地の牛尾梅林で町おこしを進める「夢つむぎネットワーク」の前会長の原田きよさん(71)は「梅との結びが強い新元号を追い風に地域活性化につなげられれば」と願う。

 入社式後に新元号を先輩から聞いた松尾建設の田中惇一さん(24)は「柔らかい感じがするし、平和への願いが伝わる」と感想。来日30年の米国出身の陶芸家マルティノ・マイケルさん(51)=多久市=は「外国人が元号を理解するのは難しいだろう」としつつ、「日本らしい素晴らしい文化であり、今後も続いてほしい」とした。

 佐賀県の山口祥義知事は「平成の『平』と令和の『和』で『平和』となる。人々がいろんなことに寛容になって歴史や文化を楽しむ時代になれば」と語った。

■時代の節目号外で実感 佐賀新聞2万部発行

 佐賀新聞社は1日、新元号を知らせる号外2万部を県内各地で配った。受け取った人たちは、時代の節目を告げる紙面を感慨深げに見入っていた。

 号外はカラー面4ページ。1面に「新元号は『令和』」の大見出しが躍り、中面では1300年にわたって変わってきた元号とその特徴を振り返った。佐賀市内では、ゆめタウン佐賀やJR佐賀駅前など5カ所で配布した。

 JR佐賀駅では午前11時ごろから、号外を待つ人たちも。「新しい時代の記念に」と号外を受け取った牛津高1年の藤野志穂さん(16)は「もっと華やかな感じになるかと思ったけど、『令和』は地味な感じ。平成生まれなので、元号が変わるのは少し寂しい」。佐賀市の原田眞理子さん(64)は「平成と昭和は戦争や自然災害が多かった印象。新元号は響きがクールで、落ち着いた時代になるのかな」と期待を寄せた。

 号外は佐賀新聞の電子版で見られる。

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