元号「平成」を記念して30年前に植えられた桜の下で半田の皆さん。右奥は鏡山=唐津市半田の半田川沿い

 新天皇即位に伴って改める新元号が、1日に事前公表される。前回の改元を記念し、平成元(1989)年に地域住民で植樹した桜並木が唐津市半田(はだ)にある。平成の時代とともに樹齢を重ねてきた50本のソメイヨシノ。バトンタッチする次の新元号のお披露目を祝福するかのように満開の時を迎えている。

 松浦川支流の半田川河川敷で、鏡果実農協そばの新田橋から下流約200メートルにかけて、両岸に立ち並ぶ。七、八分咲きだった3月30日には花見をする人の姿もあった。

 平成へ改元した当時の区長と駐在員3人が「天皇陛下の即位に合わせ、記念になるものを地元に」と考えた。その数年前に護岸改修が進められたが、河川敷は荒れていた。そこに婦人会や生産組合と一緒に植樹した。

 数年育てた苗を植えるのが一般的だが、元年に合わせて1年生の苗木にこだわった。歴代の駐在員や生産組合の役員らがボランティアで草刈りするなど地域で管理してきた。桜並木のすぐ外側には小さな道路が並行して走り、大きく育った今では枝を切り下ろす作業も必要になっているという。

 案内板はなく、改元記念の桜であるという記憶が地元の人から消えつつある。

 植樹を先導した駐在員の1人の吉田夘敬(うけい)さん(80)は「『平成桜』とでも名付けて、石碑を建てようかな」と考えている。当時区長の米倉聖(さとし)さん(86)は「今まで通り、地域で手入れしてくれたら」と語り、新元号の時代も人の心を潤す桜並木であり続けることを願っている。

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