「Keep your smile」を出版したmomoちゃん

 突然の脳出血で半身まひになった佐賀市の女子大学生が、闘病生活や回復の過程で気付いた身の回りの人たちの大切さ、幸せに生きるための心の持ちようをつづった「Keep your smile」を出版した。10代の運命を一変させた病気を受け入れ、その人生を肯定する前向きな姿勢が、若者を中心に広く共感を呼んでいる。

 佐賀市内の高校に通っていた著者のmomoちゃん(21)=本名非公表=は、3年生になる直前の2015年4月上旬、滞在先の東京で脳出血で倒れた。緊急手術をしたが、左半身にまひが残り、意識が完全に回復するまで1カ月かかった。手術の傷口から菌が入って感染症になったこともあり、手術はその年の10月まで計4回に及んだ。

 丸刈り姿の自分を見たときはショックを受けたが、「滅多(めった)にないことだと考えると、正直、おもしろいなとも思った」。リハビリも「ほとんど拷問に近い」厳しさだったが、明るさを失うことはなかった。

 研修医に恋もした。本の元になったブログ「脳動静脈奇形脈破裂による脳出血から助かった女子高生の入院日記」は同じような病気の患者から反響があり、人の役に立つことの喜びを知った。

 闘病生活を支えてくれた家族の大切さにあらためて気付き、「幸せ」という言葉をよく使うようになった。著書には「自分がこんなにもまわりから愛されていて、時には、人から必要とされることもあるんだ、という『幸せ』に気付くことができた」と記す。「つらいことも乗り越えれば、なんてことない」「笑顔でいれば、人とつながれる」など、幸せな気持ちで生きるための15のコツも紹介している。

 16年に立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)に進学。現在は休学中で、リハビリに励みながら自動車学校にも通う。

 ブログに加え、読者からの質問が多い片手でのメークの方法などは動画でも発信していくつもりだ。「今を大切に、目の前のやるべきことをやっていきたい」。文芸社刊、1080円。

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