出陣式で候補者の訴えに耳を傾ける支持者ら=29日午前、小城市(一部を画像加工しています)

 統一地方選の佐賀県議選が告示された。定数38に対し13選挙区で45人が立候補を届け、このうち7選挙区の11人が無投票で当選が決まった。立候補者数も前回より3人少なく、佐賀県においても議員のなり手不足が深刻な状況にあることがうかがえる。昨年12月の知事選をはじめ各選挙で投票率の低下傾向が続いている。無投票が増えて政治への無関心を助長し、選挙戦に突入した6選挙区でも低投票率が懸念される。県議会は2期目の山口県政をチェックし、政策提案をする役割を担う。活発な論戦で有権者の関心を高めたい。

 無投票当選が決まった選挙区は武雄市(定数2)、神埼市・神埼郡(同2)、鹿島市・藤津郡(同2)、杵島郡(同2)、嬉野市(同1)、多久市(同1)、西松浦郡(同1)の七つ。前回の6選挙区から一つ増えて過去最多を更新した。20年ぶりに新人1人も選挙戦を経ずに選良となった。3割近い20万人の有権者は選択肢が与えられなかったわけである。1票で意思表示を示せなかったことには不満もあるだろう。当選が決まった11人は、より一層の重責を自覚する必要がある。

 加えて残念なのは、いまだ女性の候補者が少ないことだ。政党に男女の候補者をできるだけ均等にするよう促す「政治分野の男女共同参画推進法」が昨年施行された後、初の県議選ではあるが、今回、女性候補者は現職1人(共産)、新人3人の計4人にとどまっている。前回は現職1人だけだったので、増えたことには違いないが、新人はいずれも無所属である。各政党は擁立に向け努力をしたのであろうが、実績に結び付いていない。県議会は現在、女性議員はわずか1人にすぎない。擁立には現職の壁もあるだろうが、政党の本気度が問われた1年であったはずだ。新たな女性候補者を一人も立てられなかったのは、政党としても危機的状況といえる。

 人口減少、子育て支援、若者の県外流出、過疎地の公共交通、地域経済の振興といった課題が山積している。国策課題も猶予はない。佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画を巡っては、県と県有明海漁協との協議が間もなく始まる。九州新幹線長崎ルート建設は未着工区間の新鳥栖-武雄温泉をどう整備するかの方向性を、与党が示そうとしている。これらの課題についてどう語るのか、有権者は注視している。

 昨年末の知事選の投票率は35・26%という、かつてない低投票率を記録した。4年前の県議選は50・92%と辛うじて半数に届いた。先の課題に加え、山口県政との向き合い方や地方自治のありよう、議会改革についても積極的に論じるべきだ。それが選択の判断材料となり、1票を投じることにつながっていく。(辻村圭介)

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