1月から県内経済面に連載し、残り2回となった「30年の軌跡~総括平成さが経済」。過去記事の“焼き直し”ではない。関係者がその時代に何を思い、今にどうつながるかを主眼に取材してきた。

 電力小売り自由化、大店法規制緩和など時代を象徴する経済トピックのため、資料を集めることには苦労しなかった。ただ金融業界では、30年もたつと当時を知る担当者が銀行に残っていない。人を探すのに思いのほか時間がかかった。

 丁寧に話を聞く度に新しい発見があった。例えば30年前の「相互銀行から普通銀行への転換」。経済成長と国の規制緩和で、金融機関が変化を迫られる構造は今と何ら変わっていなかった。21年前の「金融制度改革」。これが無かったならば、今、毎日のように紙面を騒がす金融とITを融合した新サービス「フィンテック」は生まれなかっただろう。

 歴史を丹念に調べれば、今の事象を多面的、重層的に見られるようになることを今回学んだ。私を含めて連載を担当した記者4人全員が経済班を離れるが、平成最後に佐賀経済を見つめた貴重な経験を今後に生かしていきたい。

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