玄海原発の非常時に備えた電源設備設置で、事前了解願を佐賀県の副島良彦副知事(右)に手渡す九電の中村明常務(左)=県庁

 九州電力は28日、玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)に、非常時に原子炉の監視や制御に必要な電力を供給する直流電源設備の設置許可を原子力規制委員会に申請した。安全協定に基づき佐賀県と玄海町に事前了解願を出した。新規制基準は福島第1原発事故での全電源喪失を教訓に電源の多様化を求めており、それに対応する。

 原子炉の制御は通常時、送電線からの交流電源を用いているが、非常時に備え蓄電池と可搬型発電機で直流電源を確保している。新規制基準ではこの2系統に加えてさらに3系統目を整備するよう求めている。

 3系統目の直流電源設備には1系統目と同じく蓄電池を用いる。容量は約3000アンペア時でフル充電で約30時間対応できる。原発本体の工事認可後、5年以内に設置する必要があり、3号機は2022年8月、4号機は同9月が期限となる。事業費は約86億円。

 このほか、原子炉の圧力や冷却水の水位を監視し、異常を感知すれば原子炉を自動停止する信号を送るための機器も更新し、デジタル化する。20、21年度に施工し事業費は約70億円。

 県庁を訪れた九電の中村明常務は「基本的な安全性は確保されているが、万が一に備えた対応」と説明した。副島良彦副知事は「県民から厳しい目が向けられていることを自覚し、国の審査では安全性を高める方向での議論をお願いしたい」と要望した。

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