自分の命を自分で守るためには、いかに早いうちにがんやその他の病気を見つけて、治療に結びつけられるかが鍵です。そのためには定期的ながん検診や健康診断が大切になります。「症状が出てからでは遅い」と検診の大切さを呼びかける福岡病院理事長兼院長の福岡英信氏。同院では、PET-CT検査大腸CTC検査など最新の機器を備え、効果的に全身を調べる健康診断がん検診を実施しています。あらためて、検診や、検診結果を生かすことの重要性を聞きました。

検診結果を生かそう
症状ないうちに早期発見、早期治療を

怖いのは 症状がないこと

 「症状がないから健康だ」と思っていませんか。そこに大きな落とし穴があります。日本人の死亡原因トップ3「がん」、動脈硬化による「心筋梗塞」「脳梗塞」。いずれも、はじめは症状がありません。気づかないうちに進行しているから怖いのです。がんならばごく小さいうちに発見できれば治癒率も大幅に上がります。だからこそ、症状が出る前の発見と治療がとても大切で、定期的な健康診断やがん検診を積極的に受けることが重要です。

動脈硬化の2次検診は治療と考えて

PET–CTで見つかった膵頭部がん

 50人以上の労働者がいる事業所では健康診断の報告が義務付けられるようになって以来、担当者の健康への認識の高まりを感じています。ただ、問題は検診後の個人の意識です。例えばLDLコレステロールや中性脂肪が標準値より高くて再検査の連絡が届いても、「別に今はなんともない」とか「仕事が忙しい」と結果を生かさない人がたくさんいます。でも、病気の有無を症状に任せていては手遅れになってしまうことがあります。2次検診は「検査ではなく治療」と考えてもらいたいです。結果に注目し、結果が示す意味を知り、本人や事業所の担当者、医師、看護師など一緒に対策を立てていくことが、手遅れにならないために必要です。

 

がんはPET–CTで全身をチェック

大腸がんPET-CT画像(左)と大腸CTC画像(右)

 がんは全身のあらゆる場所に発症する可能性がありますから、総合的にチェックしてください。当院では最新機器を使い全身を精密に検査する検診プランを勧めています。有用なのがPET–CTによるがん検診。がん細胞がブドウ糖を多く取り込む特徴を生かした検査で、一度に全身をチェックし、がんの有無を調べます。所要時間は約2時間。約6㍉のごく初期がんも発見でき、病変の性質など詳細な情報をとらえることができます。痛みもなく、受診者も楽に検査ができます。早期胃がんなど発見の困難ながんもありますが、超音波やMRI検査などを併用し、発見の精度を上げています。
 近年、増加傾向にあるのは大腸がん。がんの部位別死亡率では、大腸がんは女性第1位、男性では第3位とのデータもあります(厚生労働省平成29年人口動態調査)。大腸がんの検査は、内視鏡検査の恥ずかしさと痛さで敬遠されがちですが、当院の大腸CTC検査は内視鏡を使わずにガスで腸を膨らませて、体外からCT撮影をして診断します。時間は約15分と短時間で済み、見つけにくい大腸がんの早期発見が可能です。

骨粗しょう症治療で寝たきり予防

 がんや動脈硬化と同様に自覚症状がなく骨がもろくなるのが骨粗しょう症。わずかな衝撃で骨折しやすくなり、それがもとで寝たきりになることもあります。高齢者だけでなく、若い世代にも予備軍がいるとされています。当院ではエックス線検査「DXA(デキサ)法」で正確に骨密度を測定しています。治療効果が高い飲み薬や注射も登場していますから、将来寝たきりにならないように早期発見、早期治療に努めてください。
 検診で異常があれば、それは早期治療ができる好機ととらえてください。当院では「おせっかい」と言われても2次検査を受けるように直接本人に呼びかけています。それで「助かる命がある」との思いからです。土曜や日曜も検診可能ですので、この機会にぜひ検診を受け、その結果を無駄にしないでください

MEMO
“かくれ脂肪肝”を早期に発見

 当院では「フィブロスキャン」という機器を使い、“脂肪肝”を早期に発見し、肝硬変や肝臓がんへの進行を防いでいます。

医療法人 福翔会 福岡病院 理事長 兼 院長

 

福岡 英信
(ふくおか ひでのぶ)日本核医学会・内科医学会・腫瘍学会・放射線腫瘍学会所属。PET核医学認定医。

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