生まれ育った地元に戻りたいと考えている人は少なくない。そんなUターンの最大の問題は、希望の仕事が地元にあるかどうかという。例えば唐津で新聞記者。いま取材活動しているのは5紙の8人しかいない。

 全国のほとんどの県庁所在地には大なり小なり新聞社の本社があって、多くの記者がいる。それ以外の町で「新聞記者をしたい」と考えても狭き門であるのが実情だ。希望していたわけではないが、3年前に地元に赴任した。

 ペンにノート、カメラを持って出かける。好きな仕事を通して、18歳までの記憶の中の唐津を上書きしていく作業は、新鮮で、興味が尽きることはなかった。

 この間、行政関係の記事では「地元なんだから、あんなこと書くな」とか、逆に「地元出身だから手ぬるい」とのおしかりもいただいた。苦しい時に「地元だから」と、もう一踏ん張りできたことも多い。

 今月いっぱいで再び、唐津を離れる。いろんな形で故郷を書き残すことができ、記者冥利(みょうり)の3年だった。4月から本社に戻り、この「地域の話題」面のデスクになる。今後ともごひいきに。(唐津支社・宮﨑勝)

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