厚生労働省は26日、介護職員による高齢者への虐待が2017年度に510件(前年度比58件増)あり、過去最多を更新したと発表した。11年連続の増加で、被害者は認知症の人が約8割を占めた。家族や親族による虐待も7年ぶりに過去最多を更新し、694件増の1万7078件だった。

 家族らによる事例では、殺人や心中のほか、虐待の疑いなどで死亡したケースが前年度から3人増の28人いた。

 高齢者の増加や介護現場の人手不足による負担増が背景にあるとみられる。厚労省は「社会的関心が高まり通報が増えたことも影響している」と分析する。

 調査は、厚労省が高齢者虐待防止法に基づき、毎年実施。17年度に自治体が虐待と判断した件数を集計した。

 被害者が複数いる場合があるため、職員による虐待の被害者は854人。82・2%の人には認知症があった。虐待の種類(複数回答)は、暴力や拘束などの身体的虐待が59・8%で最多。暴言などの心理的虐待、介護放棄と続いた。死亡事例はなかった。

 施設・事業所の種類では、特別養護老人ホームが30・4%で最も多かった。原因(複数回答)は「教育・知識・介護技術の問題」が60・1%と最多で、「職員のストレスや感情コントロールの問題」が続いた。

 家族や親族による虐待の加害者は息子が40・3%、夫が21・1%。原因(複数回答)は「介護疲れ、ストレス」が24・2%で最多。種類は身体的虐待が66・7%を占めた。【共同】

 

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