原発の使用済み核燃料を再利用する再処理費用を巡り、関西電力が、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場の事業費に加え、具体的な計画がないプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を扱う別の再処理工場の費用も電気料金へ転嫁し始めたことが25日、分かった。九州電力も近く転嫁を始め、他の大手電力も追随する見込みだ。関電と九電は転嫁する際、こうした事実や負担額を消費者に説明していない。 

 未計画分の総事業費は過去の試算で12兆円近くに上り、六ケ所分の計約16兆円と併せて各電力の消費者が負担する形になる。関電と九電は「2016年の制度改正で、現時点で具体的な再処理計画を有さない使用済み燃料も含めて全ての費用を料金原価に含めることとなっている」とコメントした。

 未計画分は六ケ所村の工場の処理量を上回る使用済み燃料や、同工場では扱えない使用済みMOX燃料を再処理する想定で「第2再処理工場」と呼ばれる。00年代に構想が浮上し、07年に事業費の試算を11兆7千億円と公表したが、計画は白紙のままだ。

 共同通信の取材に対し、関電は六ケ所分と第2工場分の費用について年約596億円、九電は約512億円を料金算定の基礎になる原価に織り込んだと回答した。六ケ所分だけだった過去3年の平均は関電が約337億円、九電が約182億円で、一概に比較はできないが、額は多くなっている。消費者の負担は月額にすると少ないが、極めて長期間支払いが続くことになる。

 関電は17、18年の料金値下げの際に費用を盛り込んだ。九電も4月の値下げで転嫁する。他の電力会社も料金改定のタイミングで実施する構え。

 再処理工場は原発で使った核燃料からプルトニウムなどを取り出す。電力会社が出資する日本原燃が建設を進めているが、トラブルなどで完成延期を繰り返している。第2工場は日本原燃の後継施設との位置付けだ。【共同】

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