ノリ生産量の推移

40年ぶりの不作の見通しとなったノリの生産現場=2018年12月、佐賀市川副町沖の有明海

 食卓に欠かせないノリの2018年の生産量が前年よりも1割以上減少し、約40年ぶりの低水準になる見通しとなったことが23日、分かった。海水の温度上昇などが影響したとみられる。記録的な不作で供給が抑えられていることを背景に、価格も上昇傾向となっており、家計の負担が増えそうだ。

 全国漁連のり事業推進協議会によると、生産の実態をほぼ反映している「共販枚数」の18年度分が、2月末時点で前年度より約15%減少している。このペースで試算すると、18年産の「焼・味付のり」生産量は17年の約67億枚から大幅に減って、60億枚を割り込む公算が大きい。農林水産省がまとめる水産物流通調査では、1980年ごろの水準まで落ち込む。

 農水省によると、南米ペルー沖で海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」が発生した影響で、日本近海も今冬は水温が高かった。水温が高いと漁期が短くなり、収穫量が減るなどの影響が出る。

 ノリの収穫量で全国トップの佐賀県の有明海漁協によると、収穫量は前年より1割程度減少した。水温上昇のほか、プランクトンが大量発生した影響が大きかったという。

 価格も上がっている。2月末の取引価格は1枚(縦21センチ、横19センチ)当たり13・77円で、前年度平均の11・88円よりも上昇している。過去10年間では約1・5倍の値上がりで、ここ数年の上昇傾向が鮮明だ。

 ノリは韓国や中国から輸入もしており、農水省は「欠品など手に入りにくくなる心配はない」と説明している。だが原材料費の上昇で、ノリ業界では数年前から小売価格を引き上げる動きが広がる。ある地方のノリメーカーは「昨年に量を減らす実質値上げをしたが、この状況が続けば追加の対応も考えないといけない」と話した。【共同】

■ノリの生産 秋から養殖を開始し春には収穫を終えるのが一般的。農林水産省の調査ベースで2000年までは年90億枚を超える時期もあったが、環境変化による影響などで最近は減少傾向が続いている。九州のほか瀬戸内海や伊勢湾などが主な産地として知られる。都道府県別の収穫量は佐賀県がトップで、兵庫県、福岡県が続く。

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