「愛読者からのお願い」という封書が届いた。差出人はみやき町の秋吉五郎さん。「老眼・乱視・白内障初期。1年前に脳こうそくで在宅リハビリ 99歳の老男子」とある◆“今年白寿の秋吉さん”からのお願いは、明治時代に日本人によって書かれた日本人論を紹介した小欄(2月24日付)にあった内村鑑三著『代表的日本人』の一部英語表記への注文である◆秋吉さんは「英語は1語1語で読み取るから、本来横書きの英語をアルファベット1文字1文字の縦書きでは分かりづらい」という。つまり、英語表記のローマ字abcは縦書きの新聞でも横書きabcにする方が読者には親切では-という意見である。「読者には親切では…」。的を射た指摘、素直に心がけたい◆1933(昭和8)年、旧制中学に入学した時、初めて英語に触れ、49歳から英会話を始めた秋吉さん。実は20年前、ジャパンタイムズ主催の「第34回英語暗唱コンテスト」(文科省など後援)で415人が参加した大学一般の部で全国1位になった実力の持ち主だった◆「99歳で毎日、新聞を読んでおられるのに驚いています」とお礼を言ったら「えっ、どうして? 新聞は読むものでしょう。当たり前のことです」と返されて、恐縮した。こんな前向きな人に会うとうれしくなる。まさに「人間一生勉強」である。(賢)

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