七ツ釜をバックに巡視船「まつうら」

 唐津の海、白砂青松「虹の松原」が“静”とすれば柱状節理の「七ツ釜」は“動”であろう。その昔、元寇と対峙たいじした表情の違う海岸線が壱岐・対馬を挟んで遠く大陸を望む。呼子のイカは全国ブランドとなり、“よか波”を求め立神岩には多くのサーファーが集う。

 一方で唐津の沖、玄界灘は漁船、プレジャーボートに加え貨物船や外国船も多く航行する海上交通の要衝でもある。離島が多く岩礁地帯が点在する唐津の海は昔から船舶海難が絶えない海域でもある。「安全講習会」や「訪船活動」など日々の取り組みが安全に対する気付きになればと願う。

 昨今、インターネットやAIなどの技術革新による自動化の波が、船の世界にも押し寄せる。既にマラッカ海峡では日本のメーカーによるAIを駆使した「自動運航船」の実証実験が行われている。見張りを高感度カメラが、船と進路の識別をAIが判断し、障害物を器用に回避して目的地まで行く。そんな時代がすぐそこに来ている。やがて人工知能が人間を凌駕りょうがする時が来るかもしれない。しかし今は人間の“判断力と経験”を信じたい。

 東京湾の入口に日本初の洋式灯台として「観音崎灯台」が建設されてから150年が過ぎた。近代化の幕開けとともに海洋国日本の礎を築き「海の安全」を見守ってきた灯台もフィラメント式の電球が徐々に姿を消し、LED化されつつあるが、海を見つめる灯台の灯は時を超えてどこまでも温かく優しい。これこそが私たちの目指す「安心安全な海」そのものである。

 昨年4月から1年間にわたる唐津海上保安部有志による連載も今回で最終回。歴史に刻まれた唐津の海で「1件たりとも海の事故を起こさせない」を常に胸に刻み、これからも1年365日、奮闘してまいります。=おわり

 (唐津海上保安部交通課・松井好行)

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