4年に一度の統一地方選が21日にスタートする。佐賀県内は市町村合併などで、以前のような「統一感」はなくなったが、それでも身近な地方自治を見つめ直す機会。選挙権が20歳から18歳以上に引き下げられてからでは初の統一地方選でもある。まずは、29日に告示される県議選(定数38)に目を向けよう。県議は市町村議、市町村長に次ぐ身近な存在だ。若い人たちは特に、立候補予定者の顔ぶれや主張、公約を早めに確かめ、必ず投票に行くようにしてほしい。

 県議選は4月7日に投開票される。告示後は選挙ムードも高まると思うが、気になるのは投票率。前回2015年の県議選の投票率は50・92%だった。この時は国政選挙出馬に伴う前知事の辞職で知事選を年末年始に実施。県議選が単独での実施になったこともあり、投票率は11年に比べ約10ポイント低下した。ただ、16年以降に実施された選挙を見ても、県内は16年の参院選が56・69%、17年の衆院選(小選挙区)は59・46%と、投票率は6割を切る状況が続く。昨年12月の県知事選の投票率は過去最低の32・26%だった。あまりにも低い投票率では、民意を反映したとは言い難い。

 投票率の低下は佐賀に限った問題ではなく、これまで、投票に行きやすい環境づくりへ制度が変更されてきた。1997年には投票日の投票時間を午後6時から8時までに延長。2003年に期日前投票が施行され、13年には、インターネットを使った選挙運動が可能になり、16年に選挙権が18歳に引き下げられた。

 これだけ投票環境が改善されてもなお、投票率が上がらないのはなぜだろう。有権者側に「自分一人ぐらい投票しなくても影響はない」「投票したからといって、政治がすぐに変わるわけではない」という思いがあるのではないか。

 その考え方を変えていきたい。高い投票率は、それだけの期待を政治に寄せたことの表れであり、当選者に責任が生まれる。

 特に、佐賀県は今、オスプレイ配備計画や九州新幹線長崎ルートの整備方式見直しなど、国政に絡む重要課題が山積している。投票に行かなければ、判断を議員に白紙委任したと捉えられかねない。立候補者がどんな意見、考えなのかを知るのは意義のある行動で、意識を変えて行動すれば手軽に情報を得られる時代だ。例えば、県議会は一般質問の様子をインターネットで録画中継もしている。

 5月には改元を控える。新時代を担う若い世代が政治にもっと関わっていける雰囲気をつくり、将来的に、議員のなり手不足解消にもつなげていきたい。その第一歩は選挙から。候補者は選挙期間中、インターネットや個人演説会などで自分の主張、意見を積極的に発信し、住民と対話してほしい。市民団体などが行うアンケートにも協力すべきだろう。

 4月は県議選に加え、多久市、伊万里市、鹿島市、基山町、大町町、江北町の6市町で議員選挙、大町町で町長選がある。それぞれの地域に課題、懸案事項があるはずだ。投票率は自分たちが住む町への関心、当事者意識を表す数字でもある。有権者が当事者意識を持たない「お任せ民主主義」では、地域の未来は開けない。まずは選挙に関心を持とう。(中島義彦)

このエントリーをはてなブックマークに追加