国重要文化財に指定された武雄市所蔵のモルチール砲=武雄市歴史資料館

 国の文化審議会が、佐賀県武雄市が所有する武雄鍋島家の洋学関係資料2224点を国重要文化財として一括指定するよう文部科学相に答申した。1720~1860年代の資料で、初の国産モルチール砲、オランダ産の天球儀や地球儀、洋書類などが含まれている。江戸時代後期における日本の科学技術の変遷、西洋科学受容の流れを示す貴重な資料として評価された。

 資料の多くは、23歳の若さで佐賀藩筆頭家老に抜てきされた鍋島茂義(1800~62年)によって収集された。茂義は、佐賀藩主・直正の義兄。英国船が長崎港に侵入したフェートン号事件以来、佐賀藩の懸案となっていた長崎警備の強化のため、積極的に西洋科学技術の導入に取り組み、「近代科学先進地」としての佐賀をリードした。

 答申の知らせに地元武雄市の関係者からは驚きと喜びの声が上がり、「国重文にふさわしい保存・展示をしていく必要がある」と表情を引き締めた。

 資料2224点はこの年の8月に国重要文化財に指定。同年12月から翌年1月にかけて、資料を紹介する特別展が、武雄市図書館・歴史資料館で開かれた。 

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