鳥栖-磐田 後半ロスタイム、鳥栖FWクエンカ(右から2人目)が頭で決勝ゴールを決める=鳥栖市の駅前不動産スタジアム(撮影・山口源貴)

鳥栖-磐田 後半ロスタイムに移籍後初ゴールを挙げ、笑顔を見せる鳥栖MFクエンカ=鳥栖市の駅前不動産スタジアム

 「このまま、また勝てないのか」。サポーターの悲痛な叫びが聞こえてきそうな雰囲気を一撃で変えた。鳥栖は途中出場のFWクエンカが値千金の決勝ゴール。チームにリーグ戦初白星をもたらした27歳は「ホームで勝てて何より良かった」とサポーターと喜び合い、胸を張った。

 ロスタイムの後半47分、得点の起点となったのはクエンカ自身だった。中盤でボールを受けると、華麗なターンで相手選手2人をかわし、ここしかないという絶妙のタイミングでMF原川にヒールパスした。

 その流れから左サイドを駆け上がった原川がゴール前に正確なクロスを供給。相手守備陣がFW豊田を警戒する中、背後から中央へ走り込み、ゴールネットを豪快に揺らした。「(1部リーグの試合で)頭で決めたのは初めて」と笑顔で振り返った。

 この日は絶対に活躍したい理由もあった。試合前日に母親と3歳の娘が故郷スペインから来日。スタンドから応援を受け、「必ず素晴らしい試合にする」と誓っていた。

 バルセロナでプレーした経験もあるクエンカはプレシーズンから実力を遺憾なく発揮。2ゴール2アシストの結果を残したが、開幕前に足首を痛め、2戦目まではベンチ入りもできなかった。

 「まだ違和感があるが、徐々に良くなっている」と手応えも感じている。「相手をかわすドリブルやパスで得点に絡んでいきたい」。土壇場でチームに勝ち点3をもたらした“救世主”は巻き返しを誓った。

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