「直葬(ちょくそう)」という葬儀のスタイルがある。通夜や告別式といった儀式をせず、亡くなったら病院や自宅から火葬場に直接運ぶ。なんともシンプル。だが、いま都市部で増えつつあるという。究極の葬送の形だろう◆この直葬について以前取材したとき、ある葬儀社のスタッフがこんな話をしてくれた。「直葬の問い合わせがあったら、納骨先はどうされますかとまずお尋ねします。お寺に直葬を行うことを事前に伝えていないと、遺骨だけ寺に持っていっても納骨できないケースがあるからです」◆なるほどと思った。僧侶を呼ばず、お経もあげずに火葬だけして簡略化したいが、「遺骨はそちらの寺の墓に入れてほしい」では、確かに虫がよすぎる話かもしれない◆だが、こうした葬儀の簡素化や小規模化は急速に広がっている。背景にあるのが高齢化や核家族化。高齢者が増えて参列する親族も少なくなり、地域の人とのつながりも希薄になっている。おまけに、経済的に子どもに迷惑をかけたくないという気持ちや、実際に費用がかけられないという人も◆きょう18日は彼岸入り。彼岸は「春分の日」を中日としてその前後3日ずつの7日間をいう。ちょうど先祖の墓参りを予定している家族も多かろう。この機会に、葬儀の在り方や墓をどうするか、話しておいたほうがいいかもしれない。(丸)

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