アトリエで特別展示された「縫いとり」。ランプや壁紙など細かく描き込まれている=佐賀市の岡田三郎助アトリエ

 近代日本を代表する洋画家・岡田三郎助(1869~1939年)のアトリエ移築1周年の記念展「岡田三郎助の花物語―万花描く辻永とともに―」が16日、県立美術館で始まった。アトリエの応接室を背景に描いた油彩画「縫いとり」がこの日だけは特別にアトリエに展示され、来場者は名品が生まれた場所に思いを巡らせた。

 岡田は1906年頃に東京都渋谷区恵比寿にアトリエを構えた。岡田の没後には親しかった画家・辻永(1884~1974年)が制作の場として使ったという。昨年東京から県立博物館東隣に移築され、現在は一般の展覧会などに使われている。

 初日には開会式のほか、「花」にちなんで300輪ものドライフラワーがつるされたアトリエで「縫いとり」を展示し、画家や関係者らでにぎわった。竹下正博学芸員による解説もあり、同作が壁紙の色を再現する手だてになったエピソードなどを紹介した。

 「縫いとり」がアトリエに飾られるのはこの日だけだが、6月16日まで県立美術館のOKADA-ROOMで見られる。

 記念展では、香り立つ花を描いた岡田と約2万点もの植物画を残した辻による油彩画やデッサン約160点が並ぶ。5月6日まで、入場無料。23日午後1時半からは学芸員によるセミナー「花を愛した2人の画家」、毎週金曜日午後2時からはギャラリートークがある。

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