地元老人クラブのメンバー(手前)を前に、「三瀬の道」を披露する子どもたち=佐賀市の三瀬小学校

歌を披露した子どもたちに拍手を送る鶴利邦教頭

 今まで歩んできた三瀬の道。支えてくれた三瀬の大木-。今年、佐賀市の三瀬小で定年退職を迎える鶴利邦教頭(60)が、子どもたちに故郷をテーマにした歌を贈った。鶴さんの思いが、子どもたちの歌声に乗せ響いている。

 鶴さんは、県内でも名の知れた音楽指導者で、千代田西部小(神埼市)や本庄小(佐賀市)でマーチングバンドを全国大会に導いた。退職の節目に、児童に残したい思いはやはり歌になった。

 協力したのは、全国各地の演奏会に呼ばれる合唱作曲家弓削田健介さん(36)=神埼市。大学生の時にあこがれ、音楽家として活動するきっかけとなった鶴さんの要請に快く応えた。

 三瀬村の教育に貢献した故藤野徹雷さんが残した絵本「三瀬の道」を下敷きに、2人が作り上げたのが「三瀬の道」と「大きな木」の2曲。「大志をいだいて~しっかり歩いていくよ」「大きな柱に支えられて、今この時を大切に刻もう」。故郷への思いを未来への推進力に変え、羽ばたいてほしいという願いが、優しいメロディーに包まれる。

 14日の修了式では、6年生13人が交流してきた地元老人クラブへの感謝の気持ちを込めて「三瀬の道」を歌った。歌に耳を傾けた原福美会長(85)は「三瀬の温かさが歌になっているようだった」と拍手を送った。

 鶴さんは子どもたちの歌声に「自分で言うのも何だけど、すてきな歌だと思う。子どもたちにありがとうと言いたい」と優しい笑顔。「これからこの歌が三瀬小に歌い継がれていったらうれしい」と、少し目を潤ませた。

このエントリーをはてなブックマークに追加