父親の中島哀浪が佐賀を詠み続けたように、地方から文学としての短歌に挑み続けた草市潤さん。その訃報に地元関係者らから悲しみの声が上がった。

 寺山修司、岡井隆らの前衛短歌運動が盛り上がる中、同人誌「歴史」を刊行し、旧来の短歌結社に一石を投じた。発足時から活動をともにした元伊万里市民図書館長の小嶋一郎さん(83)は「歌人として自分に妥協しない人だった」と振り返る。「一つの時代が終わった。最後に一言交わしたかった」と声を落とした。

 随筆は軽やかな文体で、ファンが多かった。唐津市の詩人小松義弘さん(79)は「佐賀の方言がいいあんばいにちりばめられていて、非常にしゃれた作風だった」と思い返す。戦後まもなく佐賀で始まった文学同人誌「城」の同人だった田中艸太郎さんや高尾稔さんらの訃報を思い起こし「時代が変わってしまった」と話した。

 草市さんの文学は、放送タレントの故永六輔さんも評価するなど「(全国の歌壇でも)貴重な才能だった」と元佐賀新聞社論説委員の園田寛さん(67)。「誰とも違う語り口だった。寂しいし、残念」と惜しんだ。

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