岩崎一男校長(上段右)が切り絵で作った自分の似顔絵を手にする児童たち。作品と対面して「めっちゃ似てる」の声も=唐津市の大志小

昨年度の大志小の運動会を描いた岩崎校長の切り絵作品

 佐賀県唐津市西城内の大志小学校の岩崎一男校長(60)が15日の卒業式を前に、趣味の切り絵で6年生全員66人の似顔絵を制作した。11年間で5校の校長を務め、今春で定年退職。この間、各校で計485人の顔を切り抜き、卒業記念にプレゼントしてきた。

 1月中旬から自宅で土日や平日夜を費やし、制作した。写真を手がかりに、特に目と口元の描写に気を配る。本人が喜びそうかどうかを基準にやり直したものも少なくない。作品はA4サイズ。1人に3、4時間を要し、鉛筆やカッターナイフを手にしながら「修学旅行でこの子はこうだった」などと思い出しながら一人一人と向き合ってきた。

 湊小に勤務していた約30年前、取り壊される木造校舎の姿を切り絵で残した。好きな作家の画集を手本に見よう見まねで作った。趣味となった切り絵の良さを「白黒のコントラストがはっきりしていて、色を使うと温かみもある」と語る。2008年度に初めて校長で牟形小(玄海町)に赴任し、「卒業記念になれば」と6人に贈った。

 その後、波多津小(伊万里市)、値賀小(玄海町)、玄海みらい学園(同)に勤務し、卒業生の数が増えていった。受け取る児童たちを思えば、人数が増えても手抜きはできず、むしろ丁寧さは増しているという。閉校時の校長だった値賀小では、卒業生として全校児童148人分を作った。

 12日朝、最後の1人がようやく完成した。「卒業生を送り出し、22日の修了式が終わるまで学校の責任者として気が抜けない。その後に時間ができたら自分の顔でも」と岩崎校長。切り絵の指導もしており、卒業式当日には体育館に66人の顔と6年生の切り絵作品が並ぶ。

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