完成した紙芝居DVDの一場面

完成したDVDを手にする山田良典校長=佐賀市の赤松小

DVDの元になった、約70年前に制作された紙芝居

 佐賀市の赤松小で見つかった約70年前の紙芝居がDVDとして復元された。1943年に筑後川の渡し船が転覆し、遠足中の旧赤松国民学校(現赤松小)6年生6人と教師1人が亡くなった水難事故を描いたもので、古くなった紙芝居をこの後も語り継ごうと映像化した。このほど全校朝会で全校児童約660人が映像の一部を観賞し、命の重さについて思いを巡らせた。

 紙芝居には、筑後川に流された児童を救助し、自らが犠牲になった教師の副田美代次さん=享年(33)=が描かれている。全23枚で1949年制作。当時の教師たちが水難事故と副田さんの行為を語り継ごうと手作りしたとみられ、以前は赤松小で教材として使われていたらしい。1月に同校の金庫から見つかった。

 既に古びた紙芝居を手に、山田良典校長は「紙製品は年月を経るとさらに劣化が進んでしまう」と懸念。「副田先生の遺志をずっと語り継いでいこう」とDVDとして残すことを決めた。

 語りは同校で毎週金曜に絵本の読み聞かせをしているサークル「赤ずきんの会」のメンバー9人が担当。約15分の映像で、副田先生の功績や事故の恐ろしさを伝える紙芝居の絵とともに、ナレーションが優しく語りかける。70年前の難解な言葉遣いは、現代的な表現に直して制作した。

 朝会では冒頭の約5分間を上映し、山田校長は「子どもたちは命の大切さを、先生たちは命を守る職責の重さを忘れないで」と呼び掛けた。遠足前の秋ごろに改めて全編を教師と児童に見せる。6年生の児童からは「卒業前に全部見たい」という声もあり、6年生の各教室でも上映が予定されている。

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