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監督/ピーター・ファレリー
出演/ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリほか
配給/ギャガ

 

人種差別の中で生まれた、笑って胸が熱くなる実話

 誰が言ったか「ロードムービーにはずれなし」。私はこれをほぼ真実だと思っている。何もかも違う男性2人の友情の旅を描いた「グリーンブック」もまた格別だ。
 1962年、米国で黒人が人種差別撤廃を求める運動を展開していた頃。ニューヨークのナイトクラブで用心棒を務めるトニーは、ある日、黒人ピアニストのドクター・シャーリーの運転手にスカウトされる。ホワイトハウスでも演奏したという天才ピアニストは、なぜか差別の激しい南部への演奏旅行を実行するという。2人は黒人専用の旅行ガイド<グリーンブック>を手に出発するが…。
 知的で静かな黒人のドクターと、がさつでおしゃべりな白人のトニー。対照的な2人が生み出すズレた会話がおかしく、次第に心を通わせていく様子が心温まる。素晴らしいのは、彼らが南部で理不尽な差別にさらされてからだ。ドクターが旅への本当の思いを明かす場面では胸が熱くなる。
 人気の黒人R&B歌手を知らず、フライドチキンを食べたことがないというドクター。トニーはそんな彼に「なぜだ?黒人なのに」と投げかけ、相手を不機嫌にさせる。かくいう私も、ドクターが黒人なのでジャズを演奏するものだと思い込んでいた(実際はクラシック)。イメージの押しつけが差別の芽になる…そんな“気付き”も含まれた深い映画。そして、これは製作者の一人が父親から何度も聞いた思い出話を映画化した、感動の実話である。
(シネマライター・KAORU)


Side Story グリーンブックとは

 

 グリーンブックとは、1936年から66年までヴィクター・H・グリーンという人物により毎年出版されたガイドブック。ホテルやレストランなど黒人が利用可能な施設を記したもので、車での移動が主だった時代、黒人が安全な旅をするために欠かせないものだったそう。

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