総伝を取得した谷口さん。今も週1回の練習に励んでいる=大町町老人福祉センターひじり

 佐賀県大町町の谷口義信さん(100)が日本詩吟学院の許證(きょしょう)(免状)「総伝」を取得した。師範に次ぐ高い資格で、同学院は「100歳を超えての総伝取得は10年に1人いるかどうか」という。谷口さんは「責任が重くなった」と気を引き締めている。

 詩吟を始めたのは1989(平成元)年。知人に勧められて「大町吟詠会」に入り、週4回の稽古を重ねるほど好きになった。祝いの席での祝吟や葬儀での弔吟を頼まれることも多く、「数えきれんほど詠んだ」という。今は週1回、町老人福祉センターの会に顔を出している。

 詩吟のよさを「詩文の内容がいい」と語る。初段から15段階ほどある許證を次々に取得。10段昇格から最短で24年6カ月の期間が必要な総伝の取得資格を得て、佐賀岳翠(がくすい)会の審査で取得が認められた。取得を機に雅号を「翁」の字が入る「岳翁(がくおう)」に変えた。

 吟詠会で一緒に稽古を重ねる人たちは「般若心経を暗記しているなど記憶力もすごい。あこがれの人」と称賛する。師範の新郷龍風(りゅうふう)さん(佐賀市)は「真面目さと熱心さは誰にも負けない。そうした姿勢が総伝にふさわしい」と話す。

 谷口さんは「まさかいただけるとは…。みなさんのおかげなので、私だけが喜ぶわけにはいきません」と支えてくれた人たちを気遣っていた。

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