「震災前のように住民が戻ってきてほしい」と願いを込め黄色いハンカチを、自宅前に掲げる菅野啓佑さん(77)。映画「幸福の黄色いハンカチ」が大好きだった菅野さんが、2011年5月から東日本大震災の津波で流された自宅跡に掲げ始めた。土地のかさ上げ工事などのためいったんとりやめたが、自宅再建を機に昨年再開した。「希望」や「ガンバレ」と力強く書かれた27枚のハンカチが青空にはためいていた=9日、岩手県陸前高田市

 東北地方を中心に甚大な被害を出した東日本大震災は11日、発生から8年を迎える。津波や東京電力福島第1原発事故により避難生活を余儀なくされる人はピーク時の47万人から減ったものの、依然として約5万2千人に上る。

 被害が大きかった岩手、宮城、福島3県で、プレハブ仮設住宅への入居世帯は1573戸(2月末現在)。災害公営住宅は約3万戸の計画戸数のうち95%以上が完成したが、コミュニティー再生や心のケアなどの課題は残ったままだ。

 福島県では原発事故で全町避難が続く大熊町の一部で今春、避難指示を解除。県内6町村で、放射線量が高く立ち入りが制限されている帰還困難区域の一部に、再び人が住めるようにする「特定復興再生拠点区域」の整備が進む。ただ、拠点の避難解除は早くても2022年春の見通し。

 警察庁によると、全国の死者は8日現在で1万5897人、行方不明者は2533人。復興庁によると、避難生活での体調悪化や自殺による震災関連死は3701人(昨年9月末現在)。(共同)

県内にも46世帯116人 先月17日現在

 佐賀県法務私学課によると、県内への避難者(2月17日現在)は46世帯116人で、1年前から7世帯18人減った。福島県からが26世帯61人で最も多く、茨城県が6世帯17人、宮城県が4世帯14人、栃木県が同11人。千葉県、東京都、神奈川県、埼玉県からの避難者もいる。

 受け入れている9市町のうち鳥栖市が17世帯53人で最も多く、全体の4割以上を占めている。佐賀市が18世帯38人、唐津市が2世帯6人で続いている。年齢別では40代が最も多く、学齢期(6~17歳)の子どもも40人が身を寄せている。

帰還願う黄色いハンカチ

「震災前のように住民が戻ってきてほしい」と願いを込め黄色いハンカチを、自宅前に掲げる菅野啓佑さん(77)。映画「幸福の黄色いハンカチ」が大好きだった菅野さんが、2011年5月から東日本大震災の津波で流された自宅跡に掲げ始めた。土地のかさ上げ工事などのためいったんとりやめたが、自宅再建を機に昨年再開した。「希望」や「ガンバレ」と力強く書かれた27枚のハンカチが青空にはためいていた=9日、岩手県陸前高田市

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