AYA世代という言葉をご存知でしょうか。小児と成人(40歳以上)の間の若い世代のことで、思春期及び若年成人世代を意味する略語だそうです。今回はこのAYA世代における癌(がん)という疾患について話をしたいと思います。 

 従来、癌は主にやや高齢の成人または小児に発症するものと考えられてきましたが、医学界では2010年代に入ってからAYA世代における癌を“見逃されていた世代”として研究や治療が急速に進んでいます。AYA世代の癌は性質が特殊で、情報も少なく、標準治療も治療体制も十分ではありません。国立がん研究センターの調査によると日本では年間2万人以上発症しています。種別としては白血病や卵巣癌、精巣癌、乳癌が多いですが口腔がんもあります。この口腔がんを最初に診断するのは歯科の領域ですが、どこの診療科を受診すれば良いか迷うことがあるようです。

 口腔がんは口内炎や歯肉の腫れ、出血、舌が擦れたり、間違ってかんだあとの傷や治りかけの状態などと区別がつきにくいことがあります。口の中の炎症や傷は誰でも経験しますので放置されがちですが、いつもとちょっと違うかも、と感じた場合の一つの目安に治癒までの時間があります。口の中の傷や炎症は長くても2週間程で自然治癒しますので、それ以後も治らない場合は歯科医院への受診をお勧めします。特にAYA世代の場合は癌の進行が速いので注意が必要です。

 今春高校を卒業される方は、学校で受けてきた定期的な歯科健診のチャンスがなくなります。進学や就職で佐賀を出られる方、一人暮らしをする方もたくさんいらっしゃることでしょう。帰省時に健診を受けるホームカミングメディカルチェックや、家族全員で健診を受けるファミリーメディカルチェックデーなどテーマを決めて、どの世代も歯科を含む定期的な健診日を設けてみるのはいかがでしょうか。(すみ矯正歯科院長 隅康二)

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