妊娠しても流産や死産を繰り返す「不育症」に悩む夫婦を支援しようと、佐賀県は新年度から治療や検査の費用助成を始める。県内の産婦人科に年間で100件を超える相談が寄せられており、正しい知識を啓発して治療につなげることで、出産の希望をかなえることを目指す。

 県こども家庭課によると、不育症の原因は染色体や甲状腺の異常、子宮の形態異常、糖尿病など、人によって異なる。適切な検査や治療で約8割が出産につながるとされるが、医療保険の適用はまちまちで、十数万円を自己負担するケースもあるという。

 県の助成事業は県内に住み、妻が43歳未満の夫婦を対象に検査で最大5万円、治療で最大10万円を助成する。早期の治療を促す観点から、助成回数は妻が40歳未満の場合は最大6回、40歳以上の場合は最大3回とする。助成は治療後に申請でき、県内の各保険福祉事務所で受け付ける。

 また、不育症の正しい知識を啓発するため、専門医による講演会や個別相談会、パンフレットの作成や配布にも取り組む。2019年度当初予算では関連経費1034万円を組んだ。

 県は昨年8月に県内の産婦人科、福岡、長崎両県の不妊治療専門の医療機関計63施設に不育症の相談・対応状況に関する調査を実施した。その結果、回答した県内の産婦人科の7割が「相談がある」と答え、年間の相談件数は合計で100件を超えていた。

 こども家庭課は「不育症を相談できず、悩みを抱えている夫婦は多いと思われる。治療につなげるとともに、周囲の理解も促し、夫婦に寄り添う社会になれば」と話す。

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