東方朔

西王母

 広渡家は、16世紀後半ごろから、代々武雄の御用絵師を務めた家です。のちに佐賀本藩に召し抱えられた広渡雪山、朝廷から認められ、優れた絵師に与えられる「法橋(ほっきょう)」の称号を授けられた広渡心海(法橋心海)、広渡家の養子となって広渡家を再興した広渡心海(心海良寛)、心海良寛の子で山水花鳥を得意とした広渡三舟などです。

 特に、広渡雪山・法橋心海は、後の世でも「京摂ニモ知ラレタリ」(柴田花守『画学南北弁』)と評価されており、現在の京都や大阪といった文化の中心地でも広く名の知れた絵師だったことがわかります。

 写真の絵は法橋心海の作品。中国で古くから信仰される女仙西王母と、前漢・武帝時代の政治家である東方朔(とうほうさく)を画題としています。東方朔が、西王母の庭に実る不老不死の効能がある桃を盗んで食べ、長寿を得たという伝説があり、対で描かれることも多い画題です。

 この資料は、佐賀県立博物館所蔵の西王母・東方朔図屏風(法橋心海筆)とほぼ同じ図柄で、仕上げの状態から県立博物館所蔵資料の下書き、ないしは習作として描かれたものである可能性もあります。

 武雄市図書館・歴史資料館では、4月7日まで企画展「広渡家~絵師の系譜をたどる~」を開催中です。

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