子どもたちの健やかな成長を願い、とことん汗を流す人がいる。例えば、通学路で交通指導に立つ人、「子ども食堂」に奮闘する人、絵本の読み聞かせを続けている人…◆唐津市在住の元教師吉田孚(まこと)さん(76)もそんな一人である。現役時代は“ポニーのいる学校”として全国に知られた唐津市立大良小学校で、子どもたちと一緒にポニーを育てた。退職後も人間と動物のあるべき姿を知ることが、子どもたちの豊かな人間性を育んでくれると信じてポニー教室を開いてきた◆吉田さんは昨年3月、ポニー飼育40年を機に教室を終えたが、地域の子どもたちに対する飽くなき関わりはポニー飼育だけではない。かつて唐津藩が奨励していた手すき和紙の復元に取りかかり、子どもたちにも郷土伝統の和紙づくりを指導。大良小では2001年の卒業式から卒業証書の台紙は子どもたちが作っている◆今年の卒業証書も吉田さんと6年生が一緒に汗を流した。原料の“カゴ(コウゾ)”をみんなで切り出し、ドラム缶で蒸し上げ、それから皮をはぎ、たたいて、さらし、一枚一枚。手製の卒業証書はやはり一味違うのだ。これまで18年間で約150人が手すき和紙の卒業証書を手にして巣立った。今年も15日、4人が◆春3月、各地から卒業式の話題が届く。誰もが夢膨らませて飛び立ってほしい。(賢)

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