「今年あたりから300万円程度にしておいて入学したらドカンと追加してください」。「入学」という文字があるから、何とか用件が推察できるが、これがなかったら大学の入学寄付金などと誰も思わないだろう◆不正入試問題に揺れる東京医科大。第三者委員会の追加調査で分かった臼井正彦前理事長(77)のメールである。入試前に寄付を打診する受験生の親に、実に品のない、こんな不遜な文言で返信していた。「合格はカネ次第」が常態化していたと疑われても仕方ないやりとりである◆臼井前理事長のメモには特定の受験生11人の名前と、その脇には寄付金と思える数字も手書きで記されていたという。文科省は通達で合格発表前の寄付や約束を禁じているというのに、この実態。大学医学部のこんな入試が行われていたとは、あきれた話である◆立派な医者を育てる医学部教育には多額の資金もいる。私大医学部にとって寄付金の重要性は理解できるが、それは合格した後の話だろう。合格者の男女比調整も問題ではあるが、一般推薦入試の小論文の問題漏えいの疑いもあるようで、真剣に医学部を目指している受験生の冒瀆(ぼうとく)にほかならない◆今回の不正入学で文科省は同大への18年度私学助成金の全額カットを決めている。自業自得だが、医学部入試全体をおとしめた罪は深い。(賢)

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