撤去作業が始まった大和紡績佐賀工場跡地の煙突=平成元年3月2日、佐賀市天神

 佐賀県と佐賀市が共同購入した大和紡績佐賀工場跡地に残っていた高さ37メートルの煙突の撤去工事が始まった。大型クレーンを使って上部から解体。煙突は戦前から戦後にかけての日本の繁栄と同じ足跡をしるした象徴的存在だっただけに、元工場職員らは感慨深げに工事を見つめた。

 1928(昭和3)年に造られた鉄筋コンクリート製。周囲に民家が多いため、爆破や倒す方法ではなく、クレーンに破砕機を取り付けて壊す破砕工法が選ばれた。大型クレーンでつり上げられた破砕機の2本の爪が煙突の最上部をつかむとコンクリートが崩れ、大小の塊となって落下。すすと煙がもうもうと舞い上がった。

 工場は16(大正5)年、地元有志が創立した佐賀紡績が歴史の始まり。買収や合併などを経て、41(昭和16)年に大和紡績佐賀工場に。86(昭和61)年に閉鎖となり、跡地を購入した佐賀市と県が活用を進めた。

 現在は県立男女共同参画センター・生涯学習センター(アバンセ)や佐賀市立図書館、佐賀新聞社などの民間企業が立地。中央の緑地は市民の憩いの場として愛されている。95(平成7)年に公募で愛称が「どんどんどんの森」となった。

このエントリーをはてなブックマークに追加