新聞や週刊誌などには、お薬を売るための広告がいつもたくさん掲載されています。時には新聞の一ページ全体を広告に使うような大きなサイズで、さらに「飲んだ! 効いた!」「〇〇が解消!」「今なら期間限定値下げ!」などと、購買意欲をそそる紙面になっているものです。最近では「頻尿に効く! 尿もれが治った!」という広告も頻繁に見掛けます。

 さて、医師が処方する薬は医療用医薬品と呼ばれ、その効果と安全性については何度も動物実験や治験などを経て厳しく審査されているものですから、一般的にはドラッグストアやスーパー、通信販売などで扱われる薬よりも効果は期待できると考えてよいと思います。安全性については、副作用の強い薬もありますが、もし医師の指示通りに使用してひどい副作用が出た場合は医薬品副作用救済制度の対象となり、入院費などを機構が救済給付してくれます。また、保険診療の対象となっていますから薬剤費の自己負担額は1~3割に軽減されます。

 一方で、現在では一般用医薬品(OTC医薬品)と健康食品は適用される法律が違うため、明らかに区別されます。一般用医薬品は、その種類によって薬剤師による対面販売が必要なものなどもありますが、医療機関を通さなくてよいことや、お店が夜遅くまで対応してくれることでより手軽に購入できるという大きなメリットがあります。軽い病状の緩和に対するOTC医薬品の利用は、医療費の増加抑制策の一つであるとする見方もあります。

 繰り返しますが、OTC医薬品の大きな役割は「比較的軽い症状の緩和」だということです。医療機関ではより重症の患者さんを対象に効果の高い薬を処方しますが、副作用もより強いので慎重な管理が必要なのです。広告のセンセーショナルな表現に惑わされず、上手に利用していきたいものですね。

 (なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

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