フラダンスを踊る藤田登美子さん(前列左)とヒサ子さん(同右)=唐津市相知町の老人憩いの家「賀寿苑」

 唐津市相知町のフラダンスサークル「相知ハワイアンフラ」に、90歳を超すフラガールが2人いる。共に大正生まれで親戚同士の藤田登美子さん(93)と藤田ヒサ子さん(92)。戦争を経験した2人は「おしゃれして踊って、みんなとわいわいして楽しい。幸せ」。たくさんの仲間に囲まれながら、2人が立ち上げに関わったサークルは今年で10年を迎える。

 相知町の老人憩いの家「賀寿苑」。ハワイアンミュージックが流れる部屋で、女性たちが踊っていた。「雨が降るように」。指導者の指示に沿って登美子さんとヒサ子さんも、手をひらひらさせた。

 サークルを立ち上げたのは2009年。町老人会のメンバーで「何か新しいことを始めよう」と盛り上がったのがきっかけだった。

 今では約30人が所属。メンバーの中には1人暮らしの人もいて、サークルは貴重な交流の場となっている。月2回の練習後、持ち寄った料理やお菓子をつまみながら、おしゃべりに花を咲かせるのも恒例だ。「みんなの『おいしい』がうれしか」。登美子さんは必ず、自家製の漬物やおこわを振る舞う。

 サークルで会長を務める梅野保子さん(72)は「お母さんみたいな2人は私たちの宝。他のどのサークルにも、90歳を超えたダンサーはいない」と話す。戦後の物がない時代を過ごし、「当時はもんぺしか着る物がなかった」と振り返る2人は今、カラフルなスカートをまとって踊る。「顔にはしわが増えたけど、体が動くうちは続けたい」と笑みを浮かべ顔を見合わせた。

このエントリーをはてなブックマークに追加