「核も平和と命に関わる重要な問題ですが、拉致も家族にとっては平和と子どもたちの命に関わる大切な問題なんです」◆拉致被害者横田めぐみさんの母、早紀江さん(83)が、北朝鮮絡みの国際協議が開かれるたびに懇願する言葉である。“核なき世界”は誰もが望むもの。だから、いつも核をカードに交渉を仕掛ける北朝鮮との協議では、どうしても核の問題が最重要課題となる◆しかし、拉致被害者家族にとって、北朝鮮に捕らわれたわが子の救出は何ものにも代え難い痛切な願いなのだ。中学1年生だっためぐみさんが、こつぜんと姿を消したのは1977年11月のこと。もう40年以上の月日が流れたというのに、待っても待っても手が届かない◆以前、拉致問題に触れた小欄をどこで目にされたのか、早紀江さんから「私たち被害者家族と同じ思いで支援してくださいまして感謝します」という礼状をもらったことがあったが、わが子の帰りを待つ母親の心労、切なさに胸が詰まった◆2度目の米朝首脳会談。世界中が注目したが進展はなかった。安倍首相のたっての願いをくんで盟友トランプ大統領は拉致問題を取り上げてくれた。しかし、胸のブルーリボンバッジを握りしめ、事態の打開を祈った被害者家族の思いは、かの国の非情な指導者には届かない。打つ手はないものか!(賢)

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