喜寿祝いで、ろくろで焼き物作りを体験する伊藤絹代さん=有田町の有田柳窯

 有田町赤絵町の有田柳窯で25日、全盲の女性がろくろでの焼き物作りに挑戦した。77歳の喜寿祝いに、同じ体験をして楽しさを分かち合いたいと、家族がプレゼント。福岡市の伊藤絹代さんは「陶土がなめらかで手触りがよく、楽しかった」と会話を弾ませていた。

 伊藤さんは先天性の疾患で約30年前に視力を失った。長女の田中真弓さん(47)は「家族でたびたび旅行に出掛けたが、母にも同じようにアクティビティーを楽しんでほしくて」と陶芸体験を提案。この日は伊藤さん夫妻と田中さん家族の3世代計6人で窯を訪れた。

 有田柳窯を営む窪田和則さん(68)は、特別支援学校の美術教諭として肢体不自由の子どもたちと接した経験から、幅広く体験を受け入れており快諾した。

 体験では窪田さんの手ほどきで、ろくろを回し、茶わん、湯飲み、皿を製作。伊藤さんは「湯飲みは口が曲がっていると、飲み物を注ぐ時にこぼれにくい」とオリジナルの形状に仕上げた。

 窪田さんの知人で夫婦ユニットの「HIS☆KY♡N(ひさきょん)」から歌の贈り物もあった。伊藤さんは「体験をさせてくれた娘に感謝。友人たちにも勧めたい」と笑顔。窪田さんは「障害があっても生きることを楽しんでほしい。ここがそんな場になれば」と話している。

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