ロンドンでドナルドキーンさんと撮った写真を見ながら思い出を語る竹本鳴子さん=唐津市の人形浄瑠璃保存会

 日本文化を国内外に発信し続けたドナルド・キーンさんの訃報。交友があった唐津市の人形浄瑠璃義太夫竹本鳴子さん(69)は「体調が思わしくないとは聞いていたが…。日本芸能の知識を究めた人がついに逝ってしまった」と静かに受け止めた。

 初対面は2017年6月のイギリス。竹本さんも同行したロンドンでの古典浄瑠璃上演会だった。知人の引き合わせで対面した時のドナルドさんの目を、竹本さんは今でも覚えている。「好感のこもったまなざしだったように思う。日本の伝統芸能に取り組む人への尊敬を持つ人だった」。

 公演には、三味線奏者でドナルドさんの養子の誠己さんも出演していた。竹本さんは「ハードスケジュールをこなす誠己さんののどを何度も案じていた。優しい人だと感じた」と振り返る。

 「敗戦後に途切れかけた日本芸能が、今もこうして続いているのは彼のおかげ。ひと言お礼が言いたい」。竹本さんは泰斗の“終幕”を惜しんだ。

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