研究で発見したがん幹細胞マーカーの機能について説明する泉秀樹部長=県庁

 佐賀県医療センター好生館ライフサイエンス研究所(佐賀市)は19日、他の医療機関との共同研究で、極めて悪性のがん幹細胞マーカーのひとつが、正常な細胞の中心部に入り込み、がん細胞が未分化状態になるメカニズムを解明したと発表した。2015年に設置された同研究所では、初めての成果発表。

 同研究所などは共同研究を進める中で、悪性度の高いがん幹細胞で特異的に発現した分子「がん幹細胞マーカー」のタンパク質「CD133」の機能に着目。研究ではCD133は正常の細胞の中心部にまで運ばれるのを確認。中心部にとどまったCD133は、不要なタンパク質を分解し、細胞に栄養を供給する「オートファジー」機能を低下させ、正常な細胞の分化を阻害する仕組みがあることを突き止めた。

 共同研究はイギリスの科学誌「ネイチャー」系の科学誌に掲載された。

 同研究所疾患遺伝子研究部の泉秀樹部長(52)は「臨床治験まではまだまだ時間はかかる。ただ、悪性のがん細胞の働きを鈍くすることで、がん再発を抑えることができるのでは」と、新しいがん治療の可能性を示唆した。

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