鹿島市が高校2年生を対象に初めて開いた企業説明会=鹿島市生涯学習センター

 佐賀県鹿島市は、地元企業への就職を促す雇用対策に本腰を入れ始めた。市内や近郊の高校に通う生徒を対象に、人材確保に悩む製造業や介護事業所などの「合同説明会」を初めて開催。親子で職場を見学するツアーなど、市は企業の「リアル」な情報が伝わる接点を設けることで、地元で働く選択肢の広がりに期待している。

 6日に市生涯学習センターで開かれた説明会。鹿島商工会議所が連携して市内の企業20社が集まり、鹿島市内や近隣市町の5高校の2年生約170人が参加した。製造業系と医療福祉・サービス系に分かれて、職場の1日の流れや仕事のやりがい、魅力など各企業の15分間のプレゼンテーションに耳を傾けた。参加した高校生からは「知っていたのは名前だけだった」「地域とつながりを持つ働き方もいいのかなと思った」などの感想が聞かれた。

 佐賀県の高卒就職者の県外就職率は全国ワースト4位と高く、「県西南部は人材流出がさらに深刻」と商工関係者はみている。市内には船舶部品製造の東亜工機や油圧プレスの森鉄工など国内外で高い評価を受ける企業があるが、高校生たちへの周知が課題になっていた。納塚眞琴市総務部理事は「近隣5高の約6割の生徒が地元または県内で就職したいという結果が出た」と指摘、生徒と企業が結ばれる機会を創出した。

 市は昨年、小中学校の生徒やその親、教師向けに市内の職場巡りツアーも開いた。樋口久俊市長は「魅力を説明し切れていない企業側の悩みと、工場や施設の中がどうなっているのか分からない住民側のニーズが合致した」と話す。説明会は今後も継続するほか、3月には基幹の一次産業を加えて、現場を回るツアーの企画を練っている。

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