32区に出走し、区間5位の力走を見せた多久市の永渕和行選手=小城市のJR小城駅前

 平成の名ランナーが今年も存在感を放った。県内一周駅伝最終日の17日、出場30回目の多久市・永渕和行選手(48)が32区(7・5キロ)で区間5位の力走。今回は平成最後の大会で間もなく元号も変わるが、「新しい時代にたすきをつないでいきたい」とさわやかに語った。 

 駅伝との出合いは1984(昭和59)年、中学1年の時。父正刀(まさと)さんに「親戚が走るから応援に行くぞ」と誘われ、小城駅近くの踏切に行った。

 この年は高校生の参加が初めて認められた年で、江北から小城までの24区(10・0キロ)では永渕さんの遠縁にあたる岸川隆さん(現多久市監督)が快走。息を弾ませ、踏切を勢いよく飛び越えると、先頭で中継所に駆け込んできた。「かっこよさー」。自分も走ってみたくなった。

 佐賀農芸高(現高志館高)で陸上部へ。87年(昭和62)年の第27回大会に佐賀郡チームで初出場し、区間6位に入った。それ以来、川上峡ロードレースや佐賀空港マラソンで優勝を重ね、県内一周駅伝では第38回大会で最優秀選手賞を獲得。九州一周駅伝にも出場し、佐賀を代表するトップランナーに登りつめた。

 佐賀広域消防局の異動に伴い、2017年からは多久市チームに迎えられた。憧れとした岸川監督をはじめ、長年競り合ってきた諸田雄一郎選手(51)もチームメイト。「活躍の場を与えてもらえてとても感謝している」と話し、その期待に応えたい一心で今大会も全力を尽くした。

 「永渕さん、お疲れさま」-。レース後には力走をねぎらう人の輪ができた。初出場から32年。「この場所は今も昔も自分にとって、これ以上ない晴れ舞台。これからもずっと続いてほしい」。笑顔で汗をぬぐった。

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