4選を果たし、支持者と握手を交わす橋本康志さん(右)=17日午後10時22分、鳥栖市鎗田町の事務所

 薄氷の勝利だった。17日に投開票された鳥栖市長選で、現職の橋本康志さん(63)が10票差で4度目の当選を果たした。新産業集積エリア整備の用地買収に絡む市の農地法違反や、鳥栖駅周辺整備計画の撤回などが批判を浴び、逆風下の選挙戦だった。後援会がくまなく歩いて支持を広げる「草の根選挙」でかろうじて逃げ切ったものの、橋本さんは「市政運営にまずいところがあったという批判かもしれない」と神妙に受け止めていた。

 選挙戦は新人に追い上げられる展開だった。事務所でケーブルテレビの開票中継を固唾かたずをのんで見守っていると、午後10時すぎ、10票差での当選が報じられた。橋本さんは安あん堵どで涙ぐみながら支持者と抱き合い、万歳をした。「手掛けている事業を着実に進めるのが責務。鳥栖駅周辺整備は政治の原点でもあるので、JR九州や佐賀県に再協議を働き掛けていきたい」と力を込めた。

 農地法違反の問題では、議会などから厳しい批判を浴びた。自らが地権者宅を1軒ずつ回って謝罪し、責任を取って1月から3カ月分の給料を無給とした。鳥栖駅周辺整備の断念は、告示前に校区や町単位で開いた市政報告会で真っ先に理由を説明し、再度、努力する思いを訴えて、市政への信頼をつなぎ止めた。

 それでも、次の4年間も荒波が待ち受ける。新人を擁立した市議会最大会派の自民党鳥和会(10人)とは駅周辺整備の方針を巡って意見の食い違いがある。

 ごみ処理施設予定地から見つかった有害物質の処理も、相当の費用がかかるとみられている。先延ばししていた温水プールの建設も公約に掲げた。夏から新庁舎の建設も始まる中、財政とのバランスをどう維持していくのか、手腕が問われてくる。橋本さんは「支持者の皆さんの指導をいただきながら、しっかりやっていきたい」と口を真一文字に結んだ。

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