拓音選手(中央)の県内一周駅伝出場を喜ぶ祖父の敏治さん(左)と父親の紀雄さん

正面を見据え、ストライドを伸ばす杵島郡の廣滝拓音選手(左)=20区

 県内一周駅伝2日目の16日、大会の常連だった祖父や父親の背中を追って練習を重ねている中学生が粘りの走りを見せた。杵島郡の廣滝拓音選手(15)=白石中3年。祖父の敏治さん(68)は第17回大会(1977年)の最優秀選手で、父親の紀雄さん(39)も出場20回の名ランナーだ。

 「レース中、2人の顔が頭に浮かんだ。負けられないと思った」。正面を見据え、前へ前へと力強くストライドを伸ばした。

 後半の20区(3・3キロ)。拓音選手の後ろには武雄市の上田大樹選手(山内中3年)がピタリと付けた。2・7キロ地点で並ばれ、監察車からは「負けないぞ、負けないぞ」と声が飛んだ。上田選手を振り払おうとしたが、残り300メートルで抜かれ、昨年と同じ区間4位に終わった。

 大会冊子を丸め、メガホンのようにして沿道から声援を送った敏治さんは「両肘を横に広げる走り方は私にそっくり」と感慨深げ。紀雄さんも「チームのためによく頑張った。悔しさを次のレースに生かしてほしい」と背中をたたいて励ました。

 地域で有名な“駅伝一家”。拓音選手は幼いころから2人の勇姿を見てきたが、「きつそうだな」と最初は関心が薄く、サッカーをしていた。ただ、小学6年の校内マラソン大会で3位に。その時のうれしさが忘れられず、中学で陸上部に入り本格的に走り始めた。

 「中学2年のときに劇的に進化した」と紀雄さんが振り返るように、昨年初めて県内一周駅伝の選手に抜てきされた。昨年11月の県中学駅伝は1区を任され、3位の快走を見せている。

 中学卒業後は紀雄さんと同じ鳥栖工高で陸上を続ける予定。「もっと努力しないと2人には近づけない。成長し続けたい」と前を向いた。

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