学童保育の現場に作業療法を取り入れた意義を紹介した岡山県学童保育連絡協議会の糸山智栄会長=佐賀市の県在宅生活サポートセンター

 発達障害の子どものケアに悩む学童保育の現場に作業療法を導入する動きが全国で広がる中、先進事例に学ぶ研修会が9、10の両日、佐賀市の県在宅生活サポートセンターで開かれた。作業療法士が放課後児童クラブを訪れてコンサルティングを行う事業に2016年から取り組む岡山県の事例を紹介。県内外の作業療法士ら約80人が基礎知識、実践的なノウハウについて理解を深めた。

 岡山県学童保育連絡協議会の糸山智栄会長(54)は、発達障害について学んだ指導員ですら接し方に悩む中、作業療法士のケアがある米国の事例を知って事業を始めたことを説明。遊びと生活の中から児童が快適に過ごす方法を後押しする作業療法で、問題行動が減り現場の負担が軽減され、全国への普及活動に取り組んでいることを報告した。

 川崎リハビリテーション学院(岡山県)の森川芳彦准教授(47)は支援事例を紹介。かんしゃくを起こして暴言がみられたADHD(注意欠陥多動性障害)の女児に対し、本人が好きな工作で人の役に立つ物を作るよう促した。おやつの配膳手伝いなどの役割を与えるなどして他の子からの評価を高め、17カ月後には低学年に勉強を教えるほど穏やかになった。

 森川准教授は「小さな目標を立て、時間をかけて取り組むことが必要。本人が懸命に遊ぶ姿を認め、いい部分が引き出される役割を与えて褒めてほしい」と自尊感情を高めて居場所をつくる重要性を強調した。

 研修会は岡山県学童保育連絡協議会が主催、佐賀県作業療法士会が共催。県内で初めて開かれ、宮城や佐賀県の関係者ら7人も実践例を語った。

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