玄海原発を巡る経過

山口祥義県知事に玄海原発2号機の廃炉決定を伝える池辺和弘九電社長=県庁

玄海原発2号機の廃炉決定を受け、池辺和弘社長に要望などを伝える山口祥義知事=13日午後、県庁

 九州電力は13日、取締役会を開き、3月で運転開始から38年になる玄海原発2号機(佐賀県東松浦郡玄海町)を廃炉にすることを決めた。新規制基準への対応が難しいことや残りの運転期間などを総合的に考慮し、運転延長を断念した。池辺和弘社長は佐賀県や玄海町などを訪れ、首長らに報告した。玄海原発での廃炉は1号機に続き2基目になる。

 全国の商業用原発で東日本大震災以降、廃炉を決めたのは東京電力福島第1原発を除き7原発11基目。

 原発の運転期間は原則40年に制限されており、1981年3月に運転を開始した2号機は2021年に40年になる。原子力規制委員会に認められれば最長20年の運転延長が可能だが、それには20年3月末までに申請する必要がある。検討の結果、新規制基準で求められているテロ対策の「特定重大事故等対処施設」を設置するスペースの確保が難しいと判断した。

 九電は廃炉費用を365億円と想定し、既に316億円を積み立てており、今後10年で残りを積み増す。廃炉の工程をまとめた廃止措置計画を規制委に提出する時期について、池辺社長は会見で「検討する時間は必要なので数カ月かかると思う」との認識を示した。

 池辺社長は同日、佐賀県や玄海町を訪れ、廃炉の決定を報告した。山口知事は「1号機も含め、廃炉作業中の安全対策に万全を期していただきたい」と注文した。玄海町の脇山伸太郎町長は「電気の安定供給や地域経済のために頑張ってくれたものがなくなることに寂しさがある」と述べた。唐津市も訪れた。

 2号機は加圧水型軽水炉で出力は55万9千キロワット。震災前の11年1月から、定期検査で運転を停止している。総発電電力量は1196・7億キロワット時で、設備利用率は81・4%だった。

 1号機は15年3月に廃炉が決まり、同12月に廃炉措置計画を規制委に申請、17年4月に認可が出た。県と玄海町の事前了解を得て、同7月13日から作業に着手している。現在は原子炉などの除染作業を終え、タービンなど2次系設備の解体撤去や汚染状況の調査を行っている。全作業終了は43年度を見込んでいる。

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