3代目の田中丸昌子会長(左から2人目)ら30周年事業の準備を進める事務局メンバー

クルーズ船観光客に手水(ちょうず)の作法を教えるボランティアガイド(手前と左)=2018年4月、唐津神社

 唐津を訪れる外国人観光客に安心して旅を楽しんでもらおうと、1988年に発足した民間通訳グループ「唐津ボランティアガイド」が30周年を迎えた。観光ガイドやパンフレットの翻訳に加え、4度のヨット世界大会を支えてきた。最近は個人旅行者が増える中、「フェース・ツー・フェース」の活動はさらに意義を増す。

 初代会長は唐津シーサイドホテルの役員として外国人客の応対に当たっていた田邊公志さん(90)。当時、唐津商工会議所観光部会副部会長でもあり、担当職員の吉田伸二さん(61)から「外国からの企業訪問も増え、通訳ボランティアが必要」と相談を受けたのがきっかけだった。

 呼びかけに応じて88年12月、英語、韓国語、中国語など7カ国語、37人が集まった。翌年8月に15カ国から選手ら140人が来訪するスナイプ級ヨット世界大会を控え、即戦力として始動。本番ではヨットハーバーに常駐しながら、食堂に英語メニューを用意し、移動手段としてレンタル自転車を確保。小さな旅館も宿泊先となり、双方何かに困っていないか、巡回もした。

 当時、ヨット世界大会はほかの船が入ってこない小さな海辺の町で関係者だけで開催するケースが多かったといい、「市民挙げての歓迎は世界のヨット関係者の間で『唐津は素晴らしい』と語られるきっかけとなった」と旅館おかみで創立以来副会長を務める大河内はるみさん(74)。以来、122カ国550人の規模になった2015年420級ヨット世界選手権など3回の世界大会を支えてきた。

 発足後3年目から七山での国際渓流滝登りや唐津くんちなど恒例行事に出動しながら外国人観光客に対応。昨年から外国クルーズ船が寄港するようになり、地元の人との交流や日本の伝統文化を体験したいという流れの中、「おもてなし」役を兼ねて案内する。

 現在、会員は74人。仕事を持った会員も多く、人材の確保と研修の充実が課題。3代目会長の田中丸昌子さん(63)は「外国語ができる会員だけでなく、事務局を担当する会員を含め総力で活動を続けてきた」と話し、経験と実績を糧にインバウンド時代の観光唐津を支えていく。

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